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秋の予備調査

5月の中旬から、遅めのゴールデンウイーク休みでした。せっかくなのでDOA秋の予備調査もできたらいいなということで、2泊程度の着替えやキャンプギアをパニアバッグに押し込んで東北方面を走ることにしました。

首都圏から下道をのんびりと北上し、浜通りのいわき市辺りからダートなどへ。

東進し、会津方面、中通りへ。なつかしの昭和村(秋DOA2012〜2013開催)。木造校舎も保存が決まり整備が進んでいました。

日差しは暑いくらい。ところが・・・

ちょっと標高が上がってくると残雪が多すぎで。

どうしようもないサイズの倒木も多々あり。

厳しい冬の爪痕も。看板に偽りあり、ですが試走どころか予備調査にもなりませんでした。

梅雨明けにでもまた来ることに。そして、この晩から豪雨となります。

予想外にスケジュールが空いてしまったので、進路を北へ。豪雨でずぶ濡れのうえ残雪の冷気で凍えるほど寒い六十里越を通り新潟県入り、燕三条の友人を訪ねました。酒宴となるのでホテル泊となりこの晩すべての装備を乾かすことができたため、このあとの日程も辛い思いをせずに済みました。

翌日。地図を眺めていたら、それほど遠くないある場所へふと行きたくなり、北東方面へ。雨は小康状態で、気温差のため川から靄が立ち上っています。

行きたかったのは、新潟県と山形県都を結ぶ「朝日スーパー林道」。しかしご覧通り。いくつかある通行止め箇所のいちばん手前でゲートクローズであったのは、福島の状況を思えば当然というか。地元の方も「今年は雪が多くて長引きそう」と。ここまで来たのは30年ぶりだったのにがっかり。

この夜はものすごい豪雨と暴風が。早くから警報を目にしていたのですがあいにく宿のない地域だったため、日が暮れる前に屋根と壁のある場所をお借りしてテントを設営。

じつはこの日、新潟〜山形〜秋田沿岸を、爆弾低気圧が通過していたのです。ニュースでご覧になった方も多いのでは? とんでもない雨と風が吹き荒れましたが、上記の設営場所で快適にNetflixで映画(Perfect Storm)を観ていました(^^;;

翌日は昼過ぎまで雨が残っていたためダラダラと出発を先延ばし。ここで戻ろうかどうしようか考えていましたが翌日から天気も好転するということなので、意を決してさらに北東へ進むことに。山形県入りです。庄内平野はちょっと国道を外れると未舗装路だらけ。

小雨がまだ降り続く中、この日のキャンプ場着。他に誰もいないということで炊事場にテントを張らせてもらいました。このあとロープを張り巡らせて洗濯物を干しまくります。なにしろ2泊分しか着替えがないうえ、新潟で購入するまでレインウエアも持っていなかったので。この晩、私の行動をFacebookで読んだ盛岡の友人から連絡があり、翌日の行動を共にすることに。

予報通り大快晴。鳥海山もくっきり。この山の麓(林道)で件の友人と待ち合わせしようとしたところ、街道沿いのコンビニで休憩していたスノーモビルを積んだピックアップトラックの人々に「無理無理、俺たちこれからそこへ行くんだもん」と笑われてしまい。

けっきょく鳥海山周辺のダートは諦め、国道で秋田県入り。沿岸沿いの某地を案内していただきました。気が遠くなるほど長いドストレート・ダート!! 北海道!? 東北の地図を持っていないため、この友人からもらった高速道路のパンフレットのおまけ地図(笑)がこのあとの道標になるという体たらくです。

午後からは再び単独走行。男鹿半島を越え、白神岳を横目で見つつ、青森入り。いい景色だなーと写真に収めたのですが・・・

あとで立ち寄った温泉で見かけたJRのポスターのロケ地でした。秋田〜青森は、盛岡の友人もおすすめのすてきな海岸線が続きます。この日はこの辺りでキャンプ。

青森県入り。な、なるほど。

直前にあった町内をバイパスする国道を、急ぐ旅でもないし、と選ばずに海岸線をのんびり進んでいると鄙びた良い感じの駅舎が。

薄暗い駅舎内から海を見ると、まるで額装された絵画のような。映画で寅さんも降りた駅、と、置いてあった駅ノートで知りました。

あまり観光地は立ち寄らないのですが、この晩泊まる予定の弘前の友人から「見ておいたほうがいい」とおすすめされた白神十二湖へ。青沼の透明度は抜群で、泳いでいるイワナが空を飛んでいるようでした。早朝だったので鳥たちの鳴き声がとても賑やかです。

ここまで来たら、行かねばならない龍飛崎。ワインディングがこれでもかと。

強風吹きすさぶ防人(さきもり)の地という印象は、自衛隊の施設が目の前にどんと構えているからでしょうか。とにかく寒かった。

地元の友人と旧交を温めるべく、弘前のホテルに投宿。弘前はとにかく見渡す限りの平地が続き、そのうえ風が強く、冬は地吹雪になるというのがよくわかります。そしてどの方角からも岩木山がよく見えて、地元の方は山の形でいまいる位置がわかるとか。

津軽半島を回ったのなら、やはり下北半島へも。ということで翌日も北上。青森市街を抜けたところにある浅虫温泉にて。ここは海水浴場にもなっていて、沖合にある湯ノ島には鳥居も見えます。波穏やかな素晴らしいロケーションでした。ぜひ夏に訪れたい。

核燃料関連で有名なむつや六ヶ所村のゴージャスな国道を経由して、大間岬へ。本州最北端ですが「凄まじい風景」なのはやはり竜飛崎ですね。ああ、北海道があんなに近く・・・。この晩はキャンプの予定でしたが、風が強いうえにかなり冷え込んできたので飛び込みで宿を取りました。さて、そろそろUターンをしないとつぎの仕事がこちらをチラ見してきています。

翌日。なぜか函館行きのフェリーに。いや、Uターンして三陸海岸を眺めながら帰宅の途につくという案もいいのですが、北海道の苫小牧からフェリーで帰ってもあまり費用や疲れ方も変わらないかなーとかブツブツ・・・

フェリーで出会った白人男性のキャンビングバイク。青森県内あちこちで幾度となく遭遇しましたが、さぼりながら周遊している自分に比べてよほど勤勉に走っていました。気温は17度前後ですが、短パン&Tシャツというおそるべき姿で。

函館上陸。古い町並みに古いバイクは・・・

・・・まあだいたいよく似合うもので、インスタ映えのための街のよう。司馬遼太郎「燃えよ剣」の愛読者なので五稜郭にも赴き大満足。残り時間も少ない中、北海道も山のダートはまるでだめみたいで、さてどうしたものかと地元名物を食しながら思案していると、川崎市在住の友人が道南の江差近くに滞在していると連絡が。この日はご友人のお寺に泊めていただくことに。さすがお寺の精進料理はとーーーってもおいしい!!

さて北海道最終日。北海道も、冬と春の境目のような。新緑に雪が被る不思議な風景。

かと思えば、太平洋岸に出れば夏のような穏やかさ。風はとーっても冷たいんですけどね。

そういえば今回キタキツネには出くわしませんでした。

支笏湖。そろそろ旅も終わりです。ちなみにグルメに興味はないので名物食べ歩きなどはしていませんが、東北から北海道まで、道中どこで食べたものもみな美味しかったです。ごくふつうのものが美味しいというのはかけがえのない資産ですね。

道中でHIDが点灯しないことに気付き、船積み前にあわててヘッドライトを開けて確認することに。深夜便のフェリーなので、大洗港からの帰路も夜道になります。

HIDのバーナーが粉砕していました。ここではどうしようもないのですが、こんなこともあろうかとテールバッグには予備のハロゲンバルブが忍ばせてあります。これで夜道もなんとか走れますが、HIDに慣れた目にはとんでもなく暗く感じました。

苫小牧〜大洗のフェリーはレストランも売店もなく、そのため「食事の準備が」「売店が」とやたら流れるアナウンスもなく、気ままに過ごせます。

大洗到着。寝ているうちに着けるフェリーは旅情も豊かで大好きです。

ライディングギア以外の今回の装備。テント、グラウンドシート、シュラフ、シュラフカバー、エアマット、着替え2泊分、ジャージ上下とフリースジャケット、サンダル、モバイルバッテリー。DOAルート作成のための事務用品も少々。レインウエアは現地調達。バーナーやコッヘルなどはもちろんなし。ノートPCを持ってきていたので、いくつかの用事を片付けられたのが良かったです。ホテルで洗濯できたのも◎ まあ、軽装もいいところですね。いかに思いつきで出かけたか(^^;;

今回のルート。数字は宿泊日と宿泊地。ダートを探しながら幹線道路から出たり入ったりしているのでもっと経路は入り組んでいますが、だいたいこんなもの。全行程2500kmぐらい走りましたが、日数を考えるとじつにのんびりした旅でした。

山形から北の日本海側はそのむかし40年近く前に大きな荷物を積んだ自転車で旅しましたが、記憶の風景とまるで違って・・・あたりまえですね。日本海側の町並みはずいぶんきれいになったと感じました。 それにしても、暖かな春まではまだまだ時間がかかりそうな、北の地。この時期に訪れたことはなかったので見たことのない風景にたくさん出会うことができました。


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