三周遅れくらいのレビュー

26.07.2020

| Por

「便利なものほどかっこわるい」と、よく言います。いくつかある例を挙げ・・・ると、それらの愛用者から要らぬ反発を招きそうなのでやめておきますが、今回はそんな話を。

 

 そうとう久しぶりにヘルメットを新調しました。オフロード用ヘルメットのシルエットにシールドを備える、いわゆる「アドベンチャー」タイプというものですね。何でもかんでもアドベンチャーと付けるなーと、軽く不満を滲ませつつ。とくにサポートも受けていない身および弊社イベントなので選択肢はいろいろあって悩んだのですが、SHOEIのHORNET ADV NAVIGATEというモデルにしました。ところでそもそもなぜヘルメットを新調したかという理由は、少し別なところにあり。ちょっと時間を遡ります。

 

 あるときの林道ツーリング行。最近いっしょによく走りにいく大鶴義丹さんやK and Hの上山社長に加え、なんと日本ロードレース界のレジェンド宮城光さん、有名な覆面コラムニストのフェルディナント・ヤマグチさんらとともに首都圏近郊のダートへ。有名人らに(取り)囲まれるただひとりの一般人、キンチョーします。

 

このときの模様は各氏のブログ配信動画などですでにご存知の方も多いでしょうから内容は端折ることとして。もうみな大人なのでそんなに飛ばすわけでもなく、首都圏の牧歌的なエリアでそんなにたくさんダートがあるわけでもなし。この日は復活XR600宮城&レストアXR600上山両氏のコンビ参加とフェル山氏のバイクデビューという大イベントがあり、案内人である義丹さんの横道解説もあり、かつ移動区間も長いことからイキオイ、道中のB+comによるバイクトークが熱を帯びていた・・・らしかったです。

 

 らしい。お前もそこにいたんだろうが、ってツッコミが入りますよね。とうぜん私もB+comを装備して赴きました。前世代のSB5Xというモデルで。他の人々は全員最新のSB6X装備で。しかしそれでも5Xもその輪に加わることが仕様上できるはずが、B+comアンバサダーである義丹さん自らいくらトライしても接続は果たせぬまま。マニュアルを見ながら何度もやり直したあげく「・・・じゃ、今回はなしということで」という義丹さんからの寂しい打ち切り宣告が下されまして。まあインカムがなかった時代からバイク乗ってますからね、ぜんぜんそんなの平気だし。ひとりでできるもん。強がって見せてみても、ひと休みごとに「あそこの路面がなかなかよかったよね」とか話しかけても(もぅその話題はとっくに終わってるんですけどぉ)風なJKのKY的視線に耐えきれず、心の奥で固く固く誓ったのです、新型B+comの購入を。

 

帰宅するや否や、DOAでいつもお世話になっているサインハウス白松会長にすかさず連絡。6X買いますから!もちろん自腹で!! 大人気のB+comの新製品、リリース直後はぜんぜん手に入らなかったという話を朧げに覚えていたので直メッセしたのですが、さすがにそれから2年も経っているのであっという間に届きましたよ(迅速なご手配ありがとうございました)。DOA協賛特典でおまけしていただいた交換可能なフェイスプレートは、ツーリングメインで使用する100GSに合わせた白に。というか、ギアはあまり黒っぽくしたくないんですよね・・・バッグの中や落とした時にわかりづらいので。余談ですがバイクウエアもダークカラーは危ないから避けるようにしています。オートバイ愛好家の高齢化が懸念されるこのごろ、落ち着いた色合いのウエアを選ぶ方が多いと思いますが、公道における被視認性、大事ですよ? 

 

6Xはパッケージがシックに。マニュアルも数あるバイクギアの中でも非常に丁寧なつくりというのが第一印象。このへんケチっているところも多くて、現物見るとよく分からなかったり不親切なこともありますからね。でも大判になってもいいからもう少し文字や絵は大きいほうがいいかなー。それともwebsiteからダウンロードするPDFを拡大縮小して見ること前提かな?? 後日スマホアプリでいろいろ設定できることがわかったので、もうマニュアルレスでもいいかなとは思いましたが。iPhoneにも付いていませんしね。

さて、いよいよ6Xのレビューでもってところですが、まだ早い(え?) ようやく手に入れたブツを前に考え込んでしまったのです。これを装着するヘルメットはどれにするか、いや、いまあるものでいいのかと。手元のヘルメットはいくつかありますが、す・べ・てモトクロスフルフェイス。もちろんインカム対応のはずもなく。これまで半ば無理やり取り付けてたから耳はスピーカーが当たって痛いし、ある程度速度が出ると風切り音で何も聞こえない。チンガードとゴーグルとの隙間から風は入り放題なのでマイクからの声も相手に届いているかどうかも怪しいようで。その点、このごろのヘルメットははじめからインカム対応の構造だから手間要らずとKaH上山社長からたびたび聞かされているので、この機会にヘルメットごと新調することにしたのです。しかしB+comとヘルメット新調か・・・えーい(清水舞台)!! 前日譚終わり。

 

というわけで今回の本題? SHOEIのHORNET ADV NAVIGATE到着。届くや否や全分解。このごろアレルギー発症の気配がなんとなくするのでまずは全洗い。使用するたびにどうせ洗うので、手順を覚えるためにも構造は早めに知っておきたいですよね。

 

 いままで40年もバイク乗ってきたけどほぼオフロードバイク&オフロードメット&ゴーグルのみのバイク人生でした。シールド付きヘルメットを持っていたのは遥か昔の一度きりで、今回がようやく2つめ。ピンロックシールドってなに? なんでバイザー動かないの?? 口元狭っ!! 構造がいちいち新鮮です。むかしのシールドはホックみたいなので留めるタイプで・・・遠い目

 

決め手となった頬パッドの裏にある耳元のスピーカーホール。おそらく規格サイズのスピーカーがぴったり入るであろう大きさ。左右にまたがるハーネス類が収まる溝も帽内にしっかり刻まれていて、インナーパッドの感触を損ねません。

 

どれだけの人が気付いているかわかりませんが、極小のメーカーロゴが刻まれた内装のモールドも、とーっても手間のかかる凝ったつくりですね。偽造対策かな??

 

インカム装着前提のヘルメットはどれがいいかいろいろ見聞き調べた結果、最終候補としては(無難といえば無難な)AraiのTourCrossかSHOEIのHORNETのどちらかかなと。いままで購入してきたのはほぼSHOEIだったので、たまには義丹さんも被っているAraiのTourCrossにしようかと思っているんだけど、とKaH上山社長に話したところ、帽体設計が新しいHORNETのほうがぜったい良いと力説(力さんだけに)。新型帽体のアドバンテージのひとつがこのスピーカーホールで、それが購入の決め手になりました。スピーカーで耳が痛くならないようにTourCrossの人はけっこう内部加工しているのだとか。

 

B+com SB6Xを取り付けて、ヘルメット全パーツも組むとこういうシルエット。新しい帽体といってもリリースからもう3年以上経っているようなので、とくに目新しくもないでしょうけど。いつものように白ベースのカラーリングにしました、理由は前述の通り。B+comはとりあえずアームマイクにしておきました。ヘルメットはよく洗うので取り外ししやすい方がいいかなと。

 

購入の決定打となったのは、ゴーグルとの併用が可能をウリにしているということ。オフロードはゴーグルでしょ!! ということでさっそく先日BONSAI MOTOで購入したArieteをかけてみる。おおー多川さんにカスタムしていただいたバンドがいい感じじゃないですか。
 

TourCrossはシールドを外すことでゴーグルを使うことができる排他仕様ということで(外すのはいいけれど、出先でそれをどこに置くのか)ちょっとそれは不便だなと。HORNETならシールドを跳ね上げるだけ。バイザーの影に隠れるので林道に張り出している小枝による傷つき防止にも良いですね。

 

フロントビュー。ふだん被っているVFX-Wに比べると、ゴーグルとの相性というか若干フィット感に難が。ノーズガードは外さなくてはならないし、シールドの基部でバンドがちょっとヨレちゃっている。けど、かけ心地はわるくなかったです。

 

新メットデビューは房総で。梅雨の晴れ間を縫って・・・というより、この方が雨止めちゃった雰囲気な日。今年はハンパなく雨天が多いのに、すごいな晴れ男。先日のDOA春の時といい、もう神がかっています。いま三峡ダムや九州にいちばん必要な人材かも。HONDAからの貸与アルパカのフロントスクリーンが外れちゃって、ご本人がんばって直してますがどちらかというと乗るのが似合う人ですよね。外れちゃった原因などなど当日の模様はこちらで観られますが、なんだか動画回転数がいい感じに回っていて。みんなこういうの好きなんだねー。 

 

ランチタイム。この日もレジェンドM氏とごいっしょ。ヘルメットの選択のところでも書いたようにロード方面はとんと疎い私ですが、それでも存じ上げているぐらいの一時代を築いたほどの方。そしてどんなときでもダンディです。でもちょっと不思議でした、オフロードって興味あったんですか、どうしてXR600なんですか。なんでもロードレースのトレーニングのためにはじめたのがオフロードで、そのとき最初に手に入れたXR600は1987年式だったとか。それからずいぶん経って先日偶然店頭にあったXR600を見たら居ても立ってもいられなくなったと。いい話です。私もXR600は何台も乗り継いだ大好きなマシンだからその気持ちはよーくわかります。新調したHORNETならではの風切り音のまるでない静寂の中、高音質がウリのB+comのスピーカーから、義丹さんと宮城さんのバイクトークが朝から晩まで途切れることなく続きます。ほんとにこのふたりはバイク好きなんですよ、ずーっとバイクの話をしていましたね。

 

1日かなりたっぷり走ったあと、帰宅まえにガソリンスタンド横でしっかり洗車。とくに宮城さんはそれはもう丁寧に。義丹さんからウエスもらって乾拭きまでしてました。 「ええバイク買ったわーほんまエエ買い物やったわー」とずーっと言ってました。そこそこ面白いダート走ったこともあってか上機嫌。もう宝物なんですね。こういう姿見ているとこちらまで嬉しくなってしまいます。

 

ちなみにここのガソリンスタンドには三本足の白猫がいて。不幸にも交通事故に遭ってこんな姿になってしまったとか。立ち寄るたびに撫でています。人間を嫌いにならないでありがとね、長生きしてねと。

 

新ヘルメットでいちばんビックリしたのが空気抵抗の少なさ。VFXで高速道路を走るとバイザーが乱気流を受けるが如く、上に下に右に左にと首が振られてすっごい疲れるんですがそれがまったくない。そりゃまあVFXシリーズとしては本来使われるべきフィールドじゃないですけどね。某ライダーが某契約ヘルメットでは空力で勝てないと悟って、決勝レース前に自腹で他社の市販ヘルメットを買いに走ったというロードレースのエピソードを宮城さんから聞きましたが、いやはやなるほど空力大事と。ベンチレーションも数・導入風量ともに充実していて、シールドを閉じたクローズ状態でも風通りを気持ちよく感じます。個人的にバイザー同色の別パーツのこういうメンテナンスハッチ風部分が、カトキ・ガンダムっぽくて好き。

 

そしてつい先日。こんどは高速道路を100数十キロ走って某ダートエリアへ。(写真:上山社長)
 

 義丹さん案内で、レジェンド宮城さん、フェル山さん、ドクターFさん、KaH上山社長、私。これでB+comの接続数としてはフルグリッド。

 

 ここに日本市場待望の最新鋭機テネレ700を駆って「パリダカ完走者」桐島ローランドさんが飛び入り参加したのですが、インカムが別会社のものだったので「じゃ、今回はなしということで」。なんかこの状況には既視感があるなあ。(写真:フェル山さん)

 

 このときの様子は・・・たぶん上山社長の血汗涙シートブログか義丹さんの林道無双チャンネル動画で語られると思うので詳細は割愛。楽しかったです。参加者みんな愛すべきバイクバカでした。(写真:上山社長)

 

やや長距離の移動となったので、HORNETの空力特性の恩恵も十二分に受けて首がとってもラク。往路でずいぶん雨にも降られましたが顔をちょっと横に振るだけでシールドを雨粒が流れていってしまうのも感動でした。オフロードタイヤ特有の高速道路での不協和音もほとんど意識外程度に低下。気を良くしてB+comのスマホ連携=音楽鑑賞も試してみましたよ。これは5Xでもできた機能ですが、風切り音がうるさすぎていままで使う気にもなれなかったのです。ライダーはエンジンの奏でる美しい和音さえ聴いていればいいんだ(とくに2バルブBMW乗りは)、なんて嘯いていましたがいやいやどうして。音楽はもちろん、ラジオの交通情報や遠征時のナビ音声など、トランポと同じように移動時間を過ごせるのはやはり快適です。快適。そう、今回の新ギア導入を総括すると「快適」という感想に尽きるのです。

 

ここでようやく冒頭の「便利なものほどかっこわるい」という話に。シールド付きオフロードタイプヘルメットというものはもうずいぶん以前からありました。私が知る限りでも既に2000年ごろには目敏いメガネユーザーの友人たちがラリーレイド参加時に重宝していた記憶が。やはり長時間のライディングが前提だと、コンタクトレンズはホコリが厄介なのでメガネにしたい。けど、ゴーグルかけると掛け外しが面倒。なるほど。理屈はわかるものの、視力に問題のなかった私は当時あまり興味がわかなかったのです。それよりも、なんかこう、ボテっとしたヘルメットのシルエットがいまいちだなと。オフロードはもっと「シュッとした」感じがお気に入りです。

 

さらに話を展開するとB+comもいまのような後付けタイプではなく、バイクでも、いやバイクこそ必須になってほしい前後録画のドライブレコーダーのようなものといっしょにヘルメットと一体感あるデザインになればいいと感じています。ブラブラしている余剰ケーブルや左右の重量バランスが崩れそうな配置も好きじゃありません。他メーカーのインカムではもうヘルメットメーカーと共同開発した内部構造一体型の製品があるとか。たとえば骨伝導スピーカーや咽喉マイクなどなら騒音にも強いというのは第二次世界大戦中に既に実証されてますよねー。そういうものを採用しないのにはそれなりの理由があるのでしょうけど、サインハウスさんにはライバルメーカーを突き放すような圧倒的新機軸を打ち出してほしいと期待しています。

 

そんなこんなの長文レビューですがどの製品も新リリースから数年を経ているので、じつはもう十分に語り尽くされた感がありますよねえ。それで一周どころか三周遅れのレビューというわけで。私のように「オフロード乗りはオフロードメットだろうが」と頑なに思い込んでいた人に向けては有意義かもしれませんけど。

 

次回はこの秋のDOA開催情報が書ければいいのですが。新コロナ禍のおかげでまだ未確定要素が多く。詳細を確定させるまでエントリー開始は少し遅れるかもという状況です。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

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